吹奏楽で聴く「君の名は。」について書いた後、演奏会を聴きに行きたいなあと思いすぐにチケットを探してみました。
期日が近く、会場も遠くないコンサートはないかなあ・・・とチェックしたところ5月21日に栃木県総合文化センターで東京佼成ウィンドオーケストラのコンサートがありました。
近いしこれならちょうどいいかな?と思い100kmほど車を走らせて栃木県は宇都宮市まで行ってまいりました。
今回のコンサートは「ドラゴンクエスト」です
1986年にENIX(現スクウェア・エニックス)より発売されたFC用RPG。
まさに伝説とも言えるゲームの歴史はここから始まりました。
楽曲を担当したすぎやまこういち氏はゲーム好きとしても知られ、ENIXのソフトのアンケートはがきがきっかけでゲーム音楽と携わるようになったと言います。
ドラゴンクエストの楽曲を最初に作られたのは54歳の時。
ドラゴンクエスト30周年であった2016年は84歳ということになりますね。
そんなすぎやまこういち氏は2017年7月に発売予定とされているドラゴンクエストⅪでも作曲家として参加をされています。
まさに30年というドラクエの歴史を支えてきた功労者と言えるのではないでしょうか。
オーケストラとは一味違う吹奏楽版アレンジ
すぎやまこういち氏はオーケストラをルーツとする作曲家です。
オーケストラ版のドラゴンクエストコンサートでは自らタクトを取って指揮をされたこともあります。
吹奏楽の場合はオーケストラと共通する楽器もありますが、主要な部分を担当する「弦」がまるっといないため、木管楽器パートに割り振る形になることが多いです。
しかし、弦はブレスがないことや編成人数的にもオーケストラよりも下回る吹奏楽で表現をするには取捨選択を行う必要があったり、吹奏楽らしいアレンジに工夫をしたりしながら構成を作らないといけません。
そんな編曲を手掛けられたのは吹奏楽向けアレンジを多数編曲された真島 俊夫氏でした。
真島氏の吹奏楽アレンジは自分もいくつも演奏したことがあります。
T-SQUEAの”Omens of Love”をNew Sound in BRASSでアレンジされたのも真島氏でしたね。
本日の指揮者、井田氏のお話の中でも真島氏のアレンジについてのお話がありましたが、真島氏はすぎやま氏の原曲に敬意を表してドラゴンクエストのアレンジは原曲を重視したアレンジになるように苦労されたとの事です。
真島氏は2016年に癌で逝去されました。
心よりお悔やみ申し上げます。
たくさんの想いを乗せて
会場は非常ににぎわっていました。
吹奏楽団のコンサートなので吹奏楽部らしい学生の姿もありましたし、幅広い年齢の来場者がバランスよく来場しているイメージでした。
少し聞こえてきた周囲の声では今のドラクエを遊んでいる子供がお父さんに昔のドラクエの話を聞いていたり、今日の演目の中で好きな曲の話で盛り上がっていたり「大人も子供も楽しめる」という言葉をまさに体現しているかのようでした。
幕間のお話の中にもすぎやま氏はドラクエをきっかけに沢山の人がコンサートにも足を運んでくれるようになればいいと仰っているとありました。
その想いはまさにこの場所で実現しているなあと思いました。
演奏曲はⅠ~Ⅲでした
今回の演目ではドラクエⅠ~Ⅲまでの楽曲が演目になっていました。
勿論みんなが良く知っているメインテーマのファンファーレもありました。
「序曲」のファンファーレはホルンから始まります。
初代のファミコン音源で鳴っていたあの曲は、すぎやま氏の中ではこうだったんだなあと思うと同時に自分の中でもしっかり補完されて勇壮なテーマが聞こえていたんだと思います。
途中の転調で木管楽器から金管楽器へバトンを渡し、最後は全員で再度主題を歌い上げるまさに王道中の王道を行く「序曲」だけでももう大満足な日でしたが、Ⅰ~Ⅲまで目一杯聴かせて貰えるのだから素晴らしいことですね。
ドラクエⅠからは「序曲」の他2曲がピックアップされていました。
ドラクエⅡといえば「果てしなき世界」
続いてドラクエⅡのパートが始まります。
ドラクエⅡでは主人公は三人となり、三人目のムーンブルクの王女を仲間にしてからはフィールドテーマが変わって「果てしなき世界」が流れるようになります。
幕間でも少し話があったように、元々クラシック系の荘厳な雰囲気をもった曲が多い中で初めてのポップで明るいテーマ曲です。
ゲーム中でも大きな転機となる三人の勇者が揃ったテーマであり、ドラクエⅡ最大の難所と言われるロンダルキアへの洞窟で長時間苦しめられた一行が再び日の光の下に出る事が出来た時に迎えてくれる曲でもあり、色々な意味で印象に強く焼き付く曲ではないかと思います。
初めて聞いた時の高揚感を思い出すような素敵なアレンジでした。
ドラクエⅡからはフィールド曲のメドレー「遥かなる旅路~広野を行く~果てしなき世界」と他3曲がセレクトされていました。
世界を旅したドラクエⅢ
20分の休憩を挟み、第二部はいよいよドラクエⅢです。
ドラクエⅢは社会現象にもなった大ヒット作でしたが、起動してもシンプルなテキストタイトルにファンファーレ無しというオープニングに首を傾げた人も多いのでは?
その理由はしっかりと明かされることになりますが、三作目ともなると開発力もカートリッジの容量も上がったことで楽曲面でも大きな変化がみられるようになりました。
イントロのファンファーレが無かったこともそうですし明確にゲーム中の音響はリッチになった雰囲気の変化から、この先に一体なにがあるんだろう!!とワクワクしたゲーム少年も多かったのではないでしょうか?
ファミコンサークルを立ち上げていらっしゃる影山さんには是非当時の事を聞いてみたいなあと思ったりもしますw
当時はまだ何となく音感がいいかもしれない?だけの子供だったので楽曲に対して語れるようなことはないのですが、それでもフィールドのテーマ曲の雰囲気が「全然違う」と感じたのはよく覚えています。
イメージで語るのであればⅠは「孤独」であり、Ⅱは「仲間」を得て、Ⅲでは「世界を旅する」といった感じでしょうか。
昼夜の概念なども追加になり、より「世界を旅する」というテーマを重視した結果がこの曲なのかなあと感じます。
ドラクエⅢからは「冒険の旅」の他5曲が演奏されました。
良いものは世代を超える
FCの三和音+ノイズという音源で聴いていた曲は新しいハードで音色が刷新され、ついにはCDクオリティのBGMとして流れる時代になりました。
それぞれの時代で聴いていた音は異なれど、会場で聴いた曲は紛れもなく「ドラゴンクエスト」でした。
ドラクエじゃなくてもいいんです。
自分が昔聴いた曲がリミックスやカバーで子供たちの世代が聴くようになって、それを一緒に確かめに行く。
そんな音楽の楽しみ方もいいんじゃないでしょうか?
クラシックでも、ロックでも、アイドルでも、なんだっていいんです。
親子で一緒に楽しめる「何か」を作るためにコンサートに行くのも素敵だと思いますよ。
編成メモ
今回の編成は次の通りでした。
金管
トランペット x 4
トロンボーン x 3
ホルン x 4
ユーフォニアム x 2
チューバ x 2
木管
フルート x 3
クラリネット x 10
オーボエ x 2
ファゴット x 2
アルトサックス x 3(ソプラノ持ち替え x 1)
バリトンサックス x 2
パーカッション
ティンパニ
ドラム・スネア
バスドラム
シンバル
トライアングル
シロフォン
ビブラフォン
グロッケン
コントラバス
ハープ
音楽はやっぱり楽しい。
それが少しでも伝われば嬉しいです。
参考動画はBRASS EXCEED TOKYOのチャンネルから紹介しました。
楽団によって演奏解釈が違うのもまた楽しみの一つですので、是非色々なコンサートに足を運んでみてください。





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