違法アップロードのおはなし

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情報やライフスタイルが多様化する今日、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

社会の多様化に伴い違法行為も多様化し、進化のスピードも速くなっているため関係各所には頭の痛い状況となっています。

権利関連の話題では前回ブロックチェーンによる著作権管理の可能性について紹介しましたが、今回は音楽に限らず激化する違法複製や配信との戦いについて紹介しておきたいと思います。

インターネット経由の犯罪は増加傾向

警視庁から発表されている年次の警察白書の第三章に「サイバー空間の安全の確保」があります。
まだ平成30年度分(29年度実績)はまだ公表されていないため28年度実績をベースに見ていきます。

年度のバラツキはあるものの全体としては増加傾向であり、検挙数も比例して上昇しています。
また新しい手口や機器の性能などの実態に応じて改定された結果違法となるケースもあるので事業として関わる人は特定商取引法や著作権法などの法令については情報を更新していくように気を付けたい所です。

この白書の中で音楽に関わる部分で重要なのは著作権法違反での検挙が大部分となります。
平成28年(2016年)の検挙件数はなんと586件と、二年前の平成26年に比べて減少しているもの、平均して1日1件以上の検挙件数があるという事実は重く受け止めるべき部分だと思います。

この全てが音楽ではないですが、昨今話題を呼んでいる漫画の違法アップロードサイトやアニメなどの違法アップロードなど様々な分野で同じような問題を抱えている現状があります。

教育より端末の普及が拡大

1人1デバイスと言えるほど普及した携帯電話は既にスマートフォンが主流となり、事実上ポータブルコンピューターを全員が所有していると言える状態になりました。
フルブラウザが当たり前のように搭載された端末はアクセスすればMP3でもMP4でもJPGでも簡単に閲覧する事が出来ます。

こういった高機能な端末が様々なメディアを当たり前のように取り扱う事が出来る状態になる前に本来であれば教育面と制限について具体的な方針を作るべきだったと思うのですが、残念ながら事業者の自助努力の中でしか情報発信が行われておらず子供を指導すべき立場の大人ですら権利についての理解が追い付いていない現状があります。

こういった状況に歯止めをかけるべく過去にもいくつかの試みが行われていました。
たとえばCCCDがその一つです。
古くはゲームのコピープロテクトなど一筋縄ではコピーできないトリックを使用していましたが、その多くは通常使用されるフォーマットの隙間にエラーを差し込むなどのイレギュラーな手法(CDの規格外)によって実現されており、機器の不調を招くであったりバックアップが取れないなどの正規ユーザーの声との衝突が幾度も繰り返され定着する事はありませんでした。

1992年から継続しているのが私的録音保証金制度といったメディアから薄く広く使用料を徴収する方法です。
これもまた多くの反発を呼びましたが、現状ではこの方針が維持されています。
音楽ではJASRACという有力な管理団体があったから策定できた制度ですが、出版の業界ではこういった団体が存在しないため残念ながら対策は後手に回っていると言わざるを得ない現状です。
出版社と作家の関係性が不健全で(ry

なおも違法アップロードは続く

最近話題を呼んでいるのは大手違法漫画アップロードサイトです。(名前は出しません)
中高生に人気ということでここでも教育の敗北を感じる訳ですが、一度デジタルコピーされたファイルには拡散を止める術がなく放たれた違法なファイルは永久に削除は出来ません。

こういった状況を確実に根絶するために何が必要かと問われれば、人類がMP3とJPGを捨てる事と答える事はできるのですが普及した技術をなかったことにするのは不可能です。
ブロックチェーンの話題の時にも纏めましたが簡単に複製できてしまう状況がある限り水際対策の継続は必須なのです。

1月末には国内で初めて漫画やゲーム、歌詞などの中国語訳を無断で行っている「漢化組」という有志団体(と言ってもネットコミュニティなので実態としてはSNSのような物のようです)の参加者が逮捕されました。

これは非常に示唆に富む事件で国内での対策だけでは既に追いつかないほど権利侵害は拡大しており、昨年の記事でもたびたび書いたように国際的に管理の厳格化を進めこういった越境する権利侵害に対応していくかなくてはならなくなっています。

JASRACのプレスリリースにも今回の摘発について記述があります。

こういった違法行為は利用者があることで成立するので利用者の教育をしっかりと行う必要があるという提言は平成12年(2,000年)の前後から行われていますが、教育する人材も環境も整っていません。

自分の作品を守るために

かくいう自分も少しずつ音楽を作っては公開をする訳ですが、こんな名もない一個人の作品ですらYoutubeやニコニコ動画から別の動画サイトへ転載されてしまう事があります。

音楽やイラスト、漫画を生業にしいる人にとってはこれは大問題になります。
例えば海外で自分の作った作品が無断で商品化されてしまったら?
恐らくほとんどの人が為す術がないと思います。
JETROなどに窓口は存在していますが個人での相談がどこまで有効かも分かりませんし、実際の係争事例などが分からないので恐らく無理なのではないかと考えられます。(個人で海外での剽窃・盗用被害と戦った事がある方からの情報があれば是非お教えください。JETROの中の人のお話も伺えるなら是非お聞かせいただきたいですm(_ _)m)

有効な手段がない現状において、個人が出来る対策と言えばやはり権利問題の啓蒙くらいしかありません。
身近な人、せめて家族くらいは理解して貰えるように働きかけるのが大切なのだと思います。
作家・音楽家、クリエイターという職種の方が自発的に情報発信できる時代です、相互にコミュニケーションを取りつつ他分野の情報や問題点を共有しながら各々が少しの力を啓蒙に向けていくことで改善するものはたくさんあると思います。

色々なご意見があるとは思いますが、自らの意思で作品を買ってね!!と主張するのは大事じゃないかなって。

利用者の意識が変わらないと法で縛っても中々状況は変わらないんじゃないかな、と思う次第です。

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みるくここあ
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ウィンドシンセを片手に曲を作っています、演奏するのも聴くのも好き。 ゲームとITと変な情報を拾ってくるのが得意。 色々とやっているらしいけど詳細はヒミツ。 オリジナル曲を公開しています。 http://www.nicovideo.jp/mylist/31704203 作曲風景の生放送もしています。 https://rainbowsound.cafe/rainbow-sound-cafe-live/ 音楽やDTMに纏わる話題を色々と書きます。

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