
まだ幼い頃、テレビの洋画番組は自分にとって衝撃的なものばかりでした。
時代背景を考えれば戦争映画がまだ量産されていたことも納得ですし、ホラー映画やアクション映画、その全てが新鮮でした。
中でも自分が虜になったのはマクガイバーとグーニーズでした。
当時はただのゲーム少年だった自分にとって、マクガイバーの機転を利かせたピンチの脱出シーンやグーニーズの少年たちが冒険に巻き込まれ、最後は自分たちの手を未来を切り拓くいていく。そんな冒険活劇はまさに憧れの世界でした。
そしてもう一つ、その二作品に共通して虜になったのはそのテーマ曲でした。
小さいころから(楽器は習っていなかったけど)音楽が好きで、ポール・モーリアのテープを飽きもせず延々と繰り返し聞いていたものの、洋楽というジャンルに衝撃を受けたという認識を持ったのは多分シンディ・ローパーのThe Goonies ‘R’ Good Enoughが最初だったと思います。
グーニーズのテーマソングと知ってはいても、当時の子供にそれが何というタイトルか?誰が歌っているのかを調べる方法もなく、マクガイバーのテーマとともにふとした時に鼻歌で思い出す程度にしかなっていませんでした。
でも学校のピアノやリコーダーで思い出しては演奏してみたりはしていたと思います。
そして中学時代、夏休みの土曜日の昼過ぎに突然聞き覚えのある声が耳に飛び込んできました。
TVにはGirls just want to have funを歌うシンディの姿がありました。
エキセントリックなスタイルでダンスしながら歌うその姿はあまりにも鮮烈で、この人がグーニーズのテーマ歌ってたんだ!!と映画の中で一瞬流れた映像とオーバーラップして思わず鳥肌が立ったのをよく覚えています。
しかし音楽番組でもないTV番組ではアーティスト名と曲名を知るのが精いっぱいでした。
それでもGirls just want to have funは心に強く焼き付きました。
自分の音楽のルーツの中で、シンディ・ローパーは欠かすことのできないアーティストになった瞬間でした。
シンディ・ローパーってどんな人?
エキセントリックなスタイル、ユニークなスマイル。
シンディ・ローパーの写真を見るとそんなイメージが大きいかもしれません。
しかしその実は非常に優しく、反戦活動やチャリティコンサートなどにも積極的に参加するポリシーを持ったアーティストでもあります。
そして大の親日家でもあり、コンサートの他にもシンディを語るエピソードは多数あります。
中でも最も有名(なはず)なエピソードは、2011年3月の東日本大震災の時でした。
3月11日彼女は機上で東日本大震災の報を知ったといいます。
3月16日からのコンサートツアーのための来日でしたが成田空港は使用できず、米軍横田基地への着陸を余儀なくされました。
まだ余震のリスクも消えない当日に日本に降り立ったシンディは迷わずにコンサートを予定通り実施すると発表しました。
他の来日していたアーティストや公演予定であったアーティストが一斉に帰国・キャンセルをする中で、大打撃を受けた日本を目の当たりにしてなお、迷わずそう宣言するほどシンディは日本が大好きなのだといいます。
そして予告通り、東京公演・大阪公演とコンサートを行い、会場では自ら募金箱を持ち募金を呼びかけて自らの来日コンサートをチャリティイベントにしてしまったのです。
そして3月17日にはCNNの取材を受け、自らの言葉で世界に向けて日本の窮状を訴え、支援を呼びかけるメッセージを世界に発信してくれました。
パワフルでエキセントリックなシンディですが、誰よりも優しく思いやりに満ちている、そんな一面を表すエピソードではないかと思います。
TRUE COLORS
多彩な曲を歌うシンディの曲の中でも絶対に外せないのがこのTRUE COLORSです。
時に優しく、時に激しく歌い上げるこの曲はシンディの生き様そのものといっても過言ではないのかもしれません。
2015年、30周年を迎えた彼女のキャリアは素晴らしいものでしたが、アルバム Tweleve Deadly Cynsのライナーノーツでも語られた彼女の心中は決して明るいものではありませんでした。
自由が故、自身に忠実が故、レコード会社のセールスを意識した制作に対して意見を異したことも多くあったことや、自らも参画し、問題を訴えたいと考えていた差別問題をテーマにした曲をお蔵入りにせざるを得なかったこと等。
発表当時も大ヒットした名曲でしたが、時を経てコンサートで歌われるTRUE COLORSはまた違った聞こえ方をしてくるのです。
そして、TRUE COLORSでも歌われるように、“本当のあなたは虹の様に美しい”という歌詞のように。
Rainbow Sound Cafeもまた、音楽を通じて知り合った仲間がそれぞれの個性を虹の様に輝かせてくれたら嬉しいなあと思いその名を冠しています。
知っている人も、知らない人も
シンディのエピソードはYoutubeでもwikipediaでも、様々な場所で目にすることができます。
エキセントリックで、パワルフなシンディももう63歳。
今もなお活躍を続けるシンディ・ローパーの歌をみなさんも是非聞いてみてください。
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