Windows 7からWindows 10にアップグレードしてからというものLOOPMASHの挙動が不安定になってしまい、いよいよ我慢ができなくなりました。
他にも理由があり、環境ブラッシュアップの必要に迫られていたのでいい機会とばかりに新しいPCに乗り換えることにしました。
折角新調する訳ですし、DTMに向いている構成のPCに仕上げてみたいと思います。
DTM用PCの構成を考える
まず今までの環境で気になった事を解消するための条件を考えました。
- 高負荷プロジェクトへの耐性強化
KONTAKTなどの大型サンプラーや高負荷なVSTiの動作を改善し、さらにVSTプラグインを起動したままストレスなくプロジェクトを再生できる処理性能が欲しい。 - 起動速度の改善
大型のプロジェクトを読み込む際の待機時間を極力改善したい。 - 環境の安定性
DAWのクラッシュを避けるため、動作の安定を重視する。 - コストパフォーマンス
そこそこの値段に収めておく。
1.については限界まで追求するのであればIntel XEONを2発でも4発でも突っ込めば限界値は引き上げられるのでしょうが、対応するマザーボードの入手や設置環境面で面倒くさいことになります。
また4.のコスパも考えると買えたとしても現実的な価格に収まらないので、あくまでも快適にDTMを楽しむレベル(プロユースとは言えない)程度を目標に検討してみました。
高負荷プロジェクト対策
Core i5-2400の環境でもKONTAKTの動作には問題はありませんが、Alicia’s Keysなどのピアノ音源や複数の負荷の高い音源を起動した場合、ASIOバッファサイズをかなり大きく設定しないとノイズが発生していました。
具体的にはASIOバッファサイズ1024、レイテンシが48msec程度で破綻しない動作ができました。
発音遅れは気になりますがそれでもリアルタイム演奏をしないのであれば必要十分かもしれません。
これを多少なりとも改善する方法としては単純に「処理性能を上げる」しかありません。
レイテンシ発生の原理は単純に再生バッファにデータを蓄積してディレイ再生しているに過ぎません。
ディレイの間にバッファに再生データが用意できなくなるとそこで再生が破たんしてノイズが発生します。
VSTiの発音処理やVSTプラグインのエフェクト処理などが音声を処理するスピードを高速化することで、これを短縮していきます。
今回はCPUの高性能化のためにIntelの第6世代Coreプロセッサ、Core i7-6700を選択してみました。
クロック数だけで言えば2400の3.1GHzに対して6700も3.4GHzと目立った高速化はないように見えますが、Core i7系は物理コア4に対して8スレッドのマルチスレッド動作が可能です。
コアの余剰能力に対してタスクを割り振れるマルチスレッド動作は並行タスクの多いDTM用途には効果的です。
2017.07.19 – 訂正
Core i7-6700Kと6700を誤って表記しておりました。
訂正し、お詫び申し上げます。
また高負荷時にも安定性を確保しつつPC自体のファンノイズを下げたいのでリテールクーラーを使用せずに液冷ラジエターのついているクーラーを取り付けてみました。
これはENARMAXのELC-LMR120S-BSを選択しました。
このクーラーは大型ラジエターをファンで挟み込む構造のためPC内部で大きく空間を占有します。
冷却性能については申し分なく素晴らしいのですが、12cmのファンを設置できるケースであることが必須条件で、コネクタ類の付近に大きなヒートシンクが付いているマザーボードやCPUへの電源供給コネクタの位置が悪いマザーボードとの相性が良くないので導入を検討する場合は慎重に検討してください。
大型サンプラーを快適に使う
大きなサンプルライブラリの快適動作には単純にメモリが必要です。
HDDからのストリーミング再生に対応、という音源が期待された時期もありましたが今となってはPower is Justice。
全部メモリに読み込ませてしまえ、と乱暴な理屈を展開します。
第6世代のCoreプロセッサを選択したことで、こちらも最新世代のDDR4メモリが必要になりました。
高速メモリは不安な面もありますがDDR4に関しては定格の電圧もDDR3世代よりも下がっており、排熱や耐久性の面でも改善がみられるのではないかと期待をしています。
今までのPCはメモリを16GB搭載していましたが、オーケストラ音源などの巨大な音源を使用していない限りにおいて問題が起きたことはありませんでした。
必要十分といえば十分なのですが、今後の作業のことを考えて倍の32GBまで増設を行うことに決めました。
ゲーミングPC向けの高速メモリをリリースしているメーカー、G.SkillのDDR4メモリを選択しました。
大型のヒートスプレッダを装着しているため、加熱によるトラブルも回避しやすいのではないかと思います。
高速起動でストレスフリーに
アップデートを重ねてしまった旧ハードではPCの起動スピードも、DAWの初期化動作にもかなりの時間がかかっていました。
またSSDも容量が小さかったため、入り切らない音源があり起動をさらに遅くさせていました。
今回は音源に関してはすべてSSDに入れられるように約1TBのSSDを搭載しました。
更にOS自体も未使用のまま寝かせていた256GBのSSDにインストールし、PC全体の動作改善を狙いました。
音源用のドライブにメジャーメーカーのkingstonのSSDを選んでみました。
このSSDにはブラケットが付属していないので別途ブラケットなど必要なものは用意してください。
この結果BIOSメニューが消えてからの起動プロセスで約8秒。
Cubaseのプロジェクト読み込みも40秒ほどに改善されました。
安定動作は至上命題
Windows 7の環境ではCubaseが原因のエラーでクラッシュした経験は片手程もありませんでした。
多くの場合作法の悪いVSTプラグインなどが原因でクラッシュするためそれらを避ければ問題は起きませんでした。
PCを不調にする原因は不要な常駐ソフトやディスクなどの状態監視、通知ツールの類です。
ウィルス対策ソフトも作業中は可能なら停止しておくのが望ましいですが、頻繁に設定を変えるのは大変ですのでその他の面で改善する努力をしました。
まず、起動ドライブであるSSDのページングを停止します。
メモリが32GBあればまずページングなど不要ですし、SSDに対してページングを実行するのは望ましくありません。
さらにOSやアプリケーションのインストールが完了した時点でSSDに対してデフラグを実行します。
これはSSDへの書き込みで蓄積されたフラグメントをTRIMコマンドによって整理を行うためです。OSをインストールしたSSDは基本的にRead Onlyにするくらいのつもりで運用を行います。
OSをインストールしたSSDにはユーザープロファイルなど頻繁に書き込みの発生するデータを持たないようにインストール時に工夫をしています。
まだ動作させて間もないため結果が出るのはもう少し先になると思いますが、以前と同じように数年間クラッシュ0で作業ができると期待しています。
気になるお値段は?
今回追加購入したパーツ類は以下の通りです。
Intel Core i7-6700
AsRock Z170 Pro4
ENARMAX ELC-LMR120S-BS
G.Skill RipJaws4 DDR4-2400
Cooler Master RS750-AMAAG1-JP
kingston SUV400S37/960G
TOSHIBA DT01ACA100 バルク
玄人志向 GF-GTX750TI-LE2GHD
Windows 10 DSP版
※ケースは今までのケースをそのまま使用しています
店舗にもよりますが大体15.5万円程度のパーツで構成できました。
OSに使用した未使用のSSD 256GBも含めるならもう少し値段が行くのかもしれませんが、コストと性能のバランスは悪くない部類ではないかと思います。
特にDTM用と割り切ってゲームなどはPCで動かさないという方ならグラフィックボードと電源のグレードを下げていくことも可能だと思います。
今の時点では不満は全くありませんが、一か月くらい使用した後にもう一度検討してみる必要はあると思います。
環境の移行に際してライセンス管理の注意についてはスタジオラグさんに寄稿してみました。
移行を検討する方は合わせて確認していただければ幸いです。
OS世代が変わったことで環境の更新を検討しているWindowsDTMerの参考になれば幸いです。

とにかく大きい;
8Gメモリの2枚組です
2.5インチの薄型で小型PCでも安心
6700Kはベース4.0GHzですよ
ベース3.4GHzは6700無印のほうです
確認しました。
6700でしたorz
記述間違いですので訂正いたします。
情報提供ありがとうございましたm(_ _)m