
機器不調の大半は電源からやってくる。
まずは電源を疑えと良く言われました。
DAW関連の相性問題やトラブルシュートのヒントなどをDAW Crash Report Databaseにまとめています。
最初はそちらにまとめておこうと思ったのですが、DAWの問題というよりもっと一般的で発生しやすい問題だと思ったのでこちらにまとめてみました。
便利なバスパワー接続
バスパワー接続とは、USBやFirewireのケーブルから電源を供給して機器を動作させることができる接続方式です。
PCなどのホスト本体とオーディオインターフェイス等を接続するだけで他の電源供給が不要になることから機材の準備が楽になるメリットがあります。
昨今のオーディオインターフェイスにはバスパワー接続で駆動できるインターフェイスもあり、モバイル環境の構築に利便性を与えています。
携帯電話などの充電もUSBが主流となり、誰もが当たり前に使っているこの方式ですが、正しい使い方を理解しておかないと思わぬトラブルや機器の破損を招くこともありますので基本的な部分だけはきちんと把握してくださいね。
電圧不足は動作の不安定化の原因
給電可能なコネクタには仕様が策定されており、供給する側、受ける側ともにその仕様の中で動作できるように設計されています。
設計は、ね?
主にモバイル環境の場合はノートパソコンが使用されると思いますが、バッテリー駆動で使う場合には注意が必要です。
モバイル機器の成長に伴いバッテリー寿命やバッテリーの性能は向上し信頼性も高まっているとはいえ、高い出力を継続すれば急激に消耗してしまうこともあります。
満充電では問題が発生しない場合でもバッテリーの消耗に伴って出力が低下すると本体負荷の変動で予期せぬ電圧降下が発生することもあります。
特に気を付けたいのは光学ドライブや無線機器を動作させている場合で、消費電力が急増する事があります。
バッテリーの消耗時に突然過負荷が発生するとポートの供給電力が不安定になり、接続している機器の動作に不調をきたしたりノイズが乗るなどの症状を誘発します。
こういったトラブルは思っているよりも遭遇することが多いです。
USBハブは厳禁
USB接続の機器とノートパソコンの組み合わせの場合、結構な頻度でUSBポート不足という話が出てきたりもします。
こういった時に頼りになるのがポートを増設してくれるUSBハブですが、バスパワー接続の環境では基本的に使用すべきではありません。
バスパワー供給に対応しているUSBハブもありますが電力供給に非対応であったり正式な対応が不明な商品も多く、下手なものを使うと機器を壊す原因にもなりかねません。
また、ハブが良くても供給する元のポートに対しての負荷も高まるため、安定した電力供給を求めたい機器が接続される場合は1ポートに1機器で使用するつもりで接続しないと危険です。
ポートへの過負荷は加熱という形で本体にダメージを与えるのでポート付近が加熱するような使い方はやめましょう。
ホットプラグを過信しない
USB、Firewire、Thunderboltのいずれの接続もホットプラグ(電源を入れたままでコネクタの接続・切断が可能な仕様)対応と言われますが、バスパワー供給で動作する精密機器の場合は避けるべきです。
実際にホットプラグして機器が壊れてしまったという報告例は海外のフォーラムなどでちらほら見かけます。
ホットプラグが原因か、それに伴う変化が原因かまではわかりませんが、重要なのはこういったトラブルが発生した場合、同一のポートに繋がれている他の機器のポートまで壊れたり、ホストであるPCにまで被害が及ぶことがある点です。
ライブなどでの使用する場合は予期せぬケーブル脱落も考えられるので、保険的な意味でもバスパワー供給でのインターフェイス・機器の使用は避けておいた方が安全です。
障害レポートを纏めていると「こんな事起きるのかよw」と思うような報告も見られますが、よくよく考えてみるとあり得ない事じゃない、という物もあります。
ライブなどトラブルが許されない環境でノートパソコン等の機器を使用する場合は必ず「電源」を確認しておきましょうね。
大事な機材を長く使うためにも気を付けていきましょう。
ZOOM R8をUSBケーブルでノートPCにつないで、オーディオインターフェースとして使ってみたところ、周期的に「プツッ、、、プツッ、、、」というノイズが発生。ケーブルを外してR8だけで使用するとノイズはないため、USBケーブル(百均で購入…)のせいかと思って検索をしていたら、当ページに来ました。
USBのバスパワーが原因として考えられる、との情報、参考になりました。
>Tomonagaさん
ZOOMのR8、自分も外での使用に欲しいなあと思っておりました。
ZOOMの製品は便利そうでいいですよね!!
USBのノイズは思っている以上に影響が大きいのでオーディオインターフェイスの場合症状がはっきり出てしまうことがあります。
原因を見つける一助になれたのなら幸いです。