宅録のクオリティを上げたい人にオススメのダイナミックマイク

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Photo by connie58 from pixabay

自宅でボーカルを録ると考えた場合、大抵の場合は比較的低価格のRODE NT-1Aや、Audio-Technicaの ATシリーズ等のコンデンサーマイクを購入される方が多いかと思います。

 

コンデンサーマイクの場合はその繊細さからセッティングやマイク本体の管理に気を使わなければならなかったり、感度が高いため吸音がしっかりしていない部屋の場合は反響音を大きく拾ってしまう、PCのファンノイズを拾ってしまう等の問題、マイクとの距離をどの程度とるか・・・等、なかなか思うようにレコーディング出来ないケースもあるかと思います。

もっと簡単に気を使わずお金も使わず、そこそこ綺麗に安定して録音ができるダイナミックマイクをオススメします。

ダイナミックマイクのメリット

「ダイナミックは音がこもる・・・」という事で敬遠している方もいるかと思いますが、 大丈夫。
むしろ余計な音を拾わないという点では一般家庭の「普通の部屋」で録る場合はベターだと思います。

手持ちでも歌えますのでマイクスタンドも不要になり、初期投資も抑えられるでしょう。
普段カラオケで歌っているような使い方のほうが多くの場合良い結果が得られると思います。

家電屋で売っているスイッチ付きのカラオケ用マイクは、音が出れば良いという物が多いので避けてください。
ステージ用途を想定している「ボーカル用」のものを選ぶようにしましょう。

オススメのマイク

以下に、著名なダイナミックマイクを数点挙げますので参考になれば幸いです。 あまり悩まず、気軽に録音を楽しむ方が増えれば良いなと思います。

Shure SM58

SHURE SM58(SM58-LCE)は「ゴッパー」の愛称で親しまれ、世界中のミュージックシーンで圧倒的な支持を受けロングセラーを続けるマイクロフォンの傑作。あらゆる音源の魅力を引き出す歯切れの良いサウンド。

PA用としては定番中の定番であり、ベストセラーと言えるマイクです。

細かい仕様変更、生産国の違いで音色の差はありますが現在でも一線で使われている通称「ゴッパー」は詳しくない方でも、様々な場面で見かけた事があると思います。

音に関しては、決して高級感や、品のある音は出ません。
しかし、多少手荒に扱っても大丈夫であったり、無難に音声を収録できる点では一本持っていて損はありません。

後発のマイクに比べるとやはり高域の出方がイマイチではあるものの、多少荒さを感じる、 ガッツのある音はロック系や70年代・80年代のあまりハイファイすぎない音像を狙っている方に適していると思います。

※後処理のEQでハイを上げている感じがありますが、中域の荒い感じが存在感を作っていると思います。

Shure製品全般に言えますが外観が全く同じ某国製の偽物が沢山流通しています。
中古や個人売買、また新品でも異常に安い場合は危険です。

AKG D5・D7

クリアーな高域と大迫力の低域が特徴のダイナミックマイク。ハウリングを抑え、超指向性の為狙った音を確実に捉えます。
パワフルなサウンドを誇るプロフェッショナル・ダイナミックマイクロフォン。特許を取得した2重構造のダイアフラムによりコンデンサーマイクのような広いレンジ感を誇ります。

これは個人的に大好きなマイクです。
価格は安価ですが、しっかりした作りで58キラーと言えると思いますがあまり見かけません、何故。

D5D7共、超単一指向性となりますが、D7の方がよりワイドレンジでコンデンサー寄りの音質のようです(価格は倍ほど違いますが、D5でも値段以上のクオリティがあると思います)
SM58と比べると低域がしっかり安定した感じで中域の嫌味がなく、高域も出過ぎず多少艶もあります。

※すっかり定番になったBluebirdと比較しても、劣らない質感、多少オフマイクでも痩せない感じがあると思います。

価格も比較的お安くとてもバランスの良いマイクです。

Shure Beta58A

全周波数帯域に渡る均一なスーパーカーディオイド特性によりハウリングを削減。収音軸を外れた時のカラーレーションの抑止を実現。

一番有名なダイナミックマイクと言っても過言ではないSHURE SM58のアップグレード バージョンとも言える、Beta58Aです。
通常のSM58と比べるとよりレンジが広く、特に中音域~高域にかけて特徴のある比較的明るい音質です。

また指向性がより狭くなっているため余計な環境ノイズを拾いにくいのも宅録に向いてい るポイントです。
明るい音質もあってこもりがちな声質も前に出してくれるような特性があります。

※後処理で高域を少し落としている感じがしますが、それでも息の成分もしっかり収録出来ているのがわかります。

女性ボーカルで元々が明るい声質の場合過剰に明るくなってしまうことがあることに注意。

Sennheiser E935・E945

フルメタルボディはハンドリングノイズの影響を受けにくく、広いダイナミックレンジと周波数レスポンスでプロフェッショナルクオリティのステージを力強くサポートします。
ハウリングに強い超単一指向性ダイナミックマイク

少し価格は上がりますがTV番組やプロのライブでお馴染みの黒いワイヤレスマイク、SKM シリーズ(送信機・受信機セットで数十万円・・・) に使用されているマイクカプセルが搭載されているダイナミックマイクです。

一般的にワイヤレスマイクよりワイヤードマイク(ケーブルを繋ぐ方式)の方が損失が無いためプロのライブ以上のクオリティは確保できる、と言った所でしょうか。
(無理矢理ですが)

E935の方は単一指向性、E945は超単一指向性となります。

SM58またBeta58Aと比べても、ナチュラルな音質に定評があるようです。
また、こちらも籠りがちな声質を前に出してくれる特性があります。

※おそらく935と思われますが、モデル名までは特定できません。9xxシリーズはこういう傾向、という事で参考までに。

予算が許せば、こちらを最初の一本とするのも良いと思います。

録音のコツ

指向性のあるマイクの場合「近接効果」と言って、マイクに近づけば近づくほど低域が増える≒中高域が減衰する という特性があります。
「ダイナミックマイクは音がこもる・・・」という方は近づけ過ぎている可能性があります。

マイクとの距離を少し離してオーディオインターフェースのゲインを上げて見ましょう。
他の機材や環境によって「サー」というノイズが目立つ場合がありますが、高域の特性は多少改善していると思います。

この近接効果を逆手にとって低音域が少なめの女性ボーカルの低域をしっかりさせたり、ささやくような場面で大きな音像を作る場合は近づけるといい結果が出ると思います。

熟練したボーカリストの場合このハンドマイクの使い方が非常にうまい方が多いので、ライブ映像のマイクの距離やどこに向けているか等にも注目して見ると色々勉強になるかと思います。

良い機材を買っても、お手入れをせずに使いっぱなしでは、新品時の性能を発揮出来ません。こまめなメンテナンスをしてあげる事で、良い音質を長くキープする事ができます。 意外とプラグ部分は手の脂やホコリ、酸化等ですぐ劣化してしまうものです。プラグ部分に付着した汚れが、差し込んだジャックにも付着する事でジャック部分も汚れてしまいます。導電性が悪くなれば音質の劣化につながり、最終的には接触不良の原因にもなります。表面の酸化やサビ、脂汚れは単に拭くだけでは取れません。ほんの少しの手間と時間で、場合によ...
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About kyon 7 Articles
機材、機器の取り扱いやメンテナンスに長けたベーシスト。 ライブPA、ミックスダウンやアレンジもやっちゃう多才な人物。 と、思わせておいてFM局でミキサーをしています。

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