2011年2月、YouTubeでエヴァンゲリオンのガイナックスが制作した4話のショートアニメが公開されました。
その時は大きな話題にはなりませんでしたが、その可能性にときめいた人は多かったのではないでしょうか?
放課後のプレアデスはガイナックスとSUBARUの展開するアニメーションプロジェクトとして計画された作品です。
何から何まで型破りであったこの作品とそれを彩る音楽について、10月を迎えた所で回顧しておきたいと思い書くことにしました。
自動車メーカーとタイアップ、でも車は出てこない
自動車メーカーであるSUBARUとガイナックスの共同作品ということで、当初は衝突防止システムである”EyeSight”のプロモーションとしてスタートしたプロジェクトでしたが、”EyeSight”搭載車両の発売が先行してしまったため当初の予定とは異なる企画になったというエピソードが語られています。
協議の結果「クルマが出なくてもいい」という大転換となり、最終的には「クルマが出なくても代わりの何かでスバルの良さを表現する」などというおかしな発想大胆な変更となり、現在の形になったという事です。
少女たちの成長物語、目指すは宇宙
ここからはアニメ放送版のお話しを基準に進めます。
主人公すばるたち5人の少女が「可能性の塊」としてプレアデス星人に呼び寄せられ、故障してしまった宇宙船のエンジンのかけらを集めに宇宙まで飛び出していくという「成長物語」です。
って書くとなんのことかさっぱり分からないですねw
ネタバレをしない程度にもう少しだけ紹介します。
基本的にキャラクターはwebアニメ版と共通です。
それぞれ個性的な5人ですがwebアニメ版では語られない(時間がない)それぞれの内面や、共に過ごす事で変わっていく個々の心情などが12回にわたって丁寧に描かれていきます。
プレアデス星人曰く「何物でもない可能性の塊」である5人は、その可能性の分だけ大きな力を得る事が出来るといい、さらにエンジンのかけらを集めるごとにその力も助力として広大な外宇宙までその影響範囲を広げていきます。
可能性とは何か、成長していくうちにすばるたちが導く結論に到達するすべてのストーリーが美しく織り上げられていきます。
近年のオリジナル作品の中では抜群の完成度を持ったシナリオと映像だったのではないかと思います。
萌えと思いきや本格的な天文考証
近年の作品では抜群の完成度、と言った部分に含まれる世界観についてですが、SUBARUがタイアップしていることから分かるように聖地は群馬県太田市でその風景なども描写があります。
しかし作品としては宇宙が中心であり、その描画と考証には目を見張るものがあります。
月にはじまり土星の輪、太陽など様々な星を巡るストーリーをたった一人の天文部員という設定のすばるとプレアデス星人が解説を交えながら進んでいきます。
こういったミニ知識やスケール感、様々な事象などを監修協力しているのは国立天文台というのですから内容の充実も納得です。
最後までしっかりと芯のあるストーリーとともに、映像の面や考証の面で世界観を支えたからこそ作品全体がきれいに完結したのではないかと思います。
さわやかなテーマ曲”Stella-rium”
作品のオープニングを飾る主題歌、”Stella-rium”。
歌うのは歌い手として活動されていた鹿乃さんです。
さわやかなギターポップでついリピートしたくなる、そんな曲です。
作曲はボーカロイド楽曲も多数発表されていたsamfreeさん。
アニメ版の放送は2015年4月からでしたが、samfreeさんはその後9月中に亡くなった事が本人のTwitter上に親族の方から報告がなされました。
samfreeさんの楽曲は闇色アリスの頃から好きで、こういう曲を作りたいなあという憧れが今でもギター曲を作りたいと思う原動力になっています。
大好きな作品の主題歌を作曲したのが大好きな曲の作者だった、というのは受け手にとっては一つ大きな衝撃だと思います。
だからこそその作品と楽曲について伝えたいと思うのです。
これを読んだ誰かひとりでも、再生ボタンを押してくれたら嬉しいなと思います。
作品の成り立ち、魔法少女物だけど萌えもバトルもないストーリー、国立天文台の監修による本格的な考証など、何から何まで異色と言っても良い放課後のプレアデス。
もし少しでも興味を持っていただけたなら、是非主題歌を聞いて、公式サイトを見に行ってみてください。
追記
ニコニコ動画のワーナーブラザーズ作品の配信契約終了に伴い、11月15日をもってニコニコ動画で配信されていた放課後のプレアデスは見られなくなるようです。
配信で見たい方はお早目に!!




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