参院選ではNHKから国民を守る党が議席を獲得したことが様々な感想と共に話題になっています。
得票は事実ですし果たしてどのように仕事をしていくのかは今後の事ですのでいいとしても、政見放送の内容は流石にどうかと思いました。
同時に、同じような事をぶち上げて話題性だけで動くような人が続くようなことはしてほしくないなあ・・・と思ったものです。
と、思ったら早速何かでてきました;
現在JASRACから音楽を守る党の設立準備を進めております。準備会の公式サイトは明日公開予定です。
宜しくお願い致します。— JASRACから音楽を守る党 設立準備会 (@NOJASRAC) July 24, 2019
マジかよ日本大丈夫か;
JASRACから音楽を守る党とは
思想信条の自由が認められている日本ですので、こういった主張を述べることに何の問題もありません。
ですのでまずはその組織と政策や主張を見てみたいと思います。
発起人 工藤 尚規氏
発起人はクラリネット奏者の工藤 尚規氏です。
氏はYoutubeなどでアニメソングのクラリネット演奏などの動画を公開しているYoutuberでもあります。
・・・あれ;
Youtubeと言えばJASRAC他、各国の著作権管理団体と契約を結び、音楽などの利用にある程度の利便性を提供してくれているサービスプロバイダです。
こういった管理団体と契約が無ければ所謂耳コピーや演奏してみた、歌ってみたの公開が出来ないという点については以前の記事でもご紹介しました。
管理団体に守られた(適正な利用として本人以外が処理をしてくれている)状態で、音楽を守るという主張をなさるという事でよいのでしょう。
Youtubeでは一定水準をクリアした動画投稿・配信者にはマネタイズの権利が与えられます。
これらはYoutubeへのコンテンツ寄与による広告費の分配ですが、同時に自らが作成したコンテンツに使用される楽曲の権利処理はYoutubeとJASRAC他の管理団体が処理を行っています。
こういった事をご存知ないとは考えたくはないのですが・・・?
法改正を目指すらしい?
ご本人の説明動画では「正しい事か間違っている事か結構適当にしゃべっている」そうなので根拠が既に危ないのですが、その理解に基づいて法改正を目指すという事のようです。
少なくとも「他人の財産」に手を付ける法律を改正しようというのに自分で誤りを検証できないのは致命的です。
不完全な根拠で個人の財産価値を変えるような法改正は端的に言って人権問題ですし、この方法を許容するならJASRACがどうとかいう問題でないレベルで危険な発想です。
公式サイトや方針が示されてから検証しようかなと思っていましたが、早速質問をしている方がいました。
残念ながら何一つ正しく回答が出来ていないようです。
何かを主張するのであればまずその根拠を明確にする必要がありますが、YoutubeのContent IDとその仕組みについても把握せずにJASRACが悪いのだ!!と言うのは誤解に基づいて批判を繰り返す人と何も変わりません。
コンサートの使用料などについても取材では回答されていますが、利用者側の立場で徴収に疑問があるという回答をされています。
一般に商品価格(利用料)はお店(権利者)が決めるものなのですが、なぜ疑問に思うのかについては明確にはされていません。
自らの曲の演奏の申告についても規定の改定で柔軟になった部分は知識として反映されていないようですのでネットで出回る噂話をベースに知識を入れているような感じがします。
「適当な事を言ってはいけない」のはこういった誤解を拡散するからなのですが、誤解から学んで誤解を再生産する仕組みを目の当たりにしているのかもしれません。
知財管理の専門家の参加はあるのか?
著作権の問題は非常に複雑であり、日本だけの問題でもありません。
国際的にはWTOに加盟する国はベルヌ条約の主要な規定を遵守することが義務付けられています。
発起人の工藤氏はこの辺り知識などがすっぽり抜け落ちているようなので知財の専門家に参加を求めないと大変な事になるのではないかと思います。
もちろんその為にはコストもかかるでしょうし、時間をかけてやって行くという事であればぶち上げちゃう前にもう少し勉強してからの方が良かったのではないかなあと感じています。
政党を作るとなれば相当な資金が必要になりますが、この状態でどれほど資金があつまるのか?
また、資金を集めてしまえば簡単に退くことはできなくなりますが本当に大丈夫でしょうか。
ネットで話題のテーマをワンイシューで掲げれば、それなりの人が付いてきてイケルんじゃない?っていう言葉がなんとなく聞こえる気がしないでもないんですが、それはポピュリズム以外の何物でもないですしそれで何か実のある事が可能なのかは疑問が残ります。
JASRACというか音楽利用について様々な記事と検証を続けてきましたが、まさか政治問題として取り上げる人が出てくるまでは考えていませんでした。
この先の展開に注目していきたいと思います。




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