CeVIOとVocaloid、どちらが優れたバーチャルシンガーなのか? Part 3

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比較音源

意外と閲覧者が多いように感じるこのシリーズ、音源を上げるのが微妙に怖い気がするのは気のせいでしょうか;
前回に続いて検証を行っていきます。

 

※追記
CeVIO ONEを使用した曲”Beautiful World“を公開しました。
実際の歌唱を確認してみてください。

今回はボーカルを入れて頂く予定で制作していたデモ音源をサンプルに実際に調整を行った音源での比較も用意しました。
恒例ではありますが、地道に紹介をしていきます。

ボリュームの調整について

ボリューム編集画面

ピッチ編集画面と同じインターフェイスのボリューム調整画面です。
これは説明するまでもない・・・かもしれないけど一応紹介しておきます。

青いラインで声の音量を調整することができます、編集した部分にはオレンジのラインが追記されるのもピッチの編集と同じです。
あくまで音量の編集であって、大きくしたからといってアクセントが付くわけではありません。
この辺はVocaloidのダイナミクス編集とほぼ同じと思って構いませんが、音によって発音ボリュームにばらつくことのあるボーカロイドに比べると、見た目に忠実な音量を発声してくれます。
デフォルト状態でも良好な音量変化を設定してくれるようですが、スタッカートする部分などは細かく調整していく必要がありそうです。

編集自体はVocaloidより操作しやすいと思いますが、双方の癖が大きく異なる部分なのでここはそれぞれの音源でしっかり癖を把握すべき部分だと思います。

 

鬼門、ビブラート

CeVIO_VIA_Edit

そして仕上げに向かい、避けて通れないのがビブラート編集です。

Vocaloidではビブラート機能はあるものの編集が厄介で微調整には何度も泣かされました。
ピッチで弄るにしてもピッチベンドをつついてカーブ編集するのは骨の折れる作業になります。
しかし、それが綺麗に決まるかどうかで良し悪しが決まってしまう部分でもあるので最も重要だけど触りたくない部分でもあります;

Vocaloidではビブラートの速度・幅という設定が音符のプロパティにありました。
Vocaloid Editor for CubaseではNote Expressionによる編集が可能なため多少マシではありましたが、標準エディタに搭載されていた音符のプロパティによるビブラート編集は使い物になりませんでした。
その結果、おそらく多くの編集者がピッチベンドに手書きでビブラートのカーブを描くという憂き目に合っています。

CeVIOでもVocaloidとほぼ同様にビブラートの幅(VIA)ビブラートの速度(VIF)という二つのパラメータでビブラートの編集が可能になっています。

どうせピッチベンド使うならなんでこんなパラメータがあんの?と思う方もいると思いますが、両者がこれらのパラメータを持つには理由があります。
ビブラートは歌っているときにピッチを揺らす歌い方です。
ピッチだけ編集出来れば再現は可能、と言えば可能でしょう。
しかし実際にはそれだけではありません。
なぜならビブラートの最中でも歌っている音程を上下させることもあるからです。

ピッチの編集だけでビブラートを再現する場合音程が上に上がって行く部分のビブラートはピッチが上がって行くカーブに沿ってビブラートの揺れを書かなければいけません。
一瞬だけしゃくってもとに戻るような場合は上がって下がる音程に対してやはりカーブを付ける必要があります。
これを手書きで自然に行うのは困難な作業です。

そこで基準となる音程はピッチ(あるいはノート)で表現し、可変する音程に対してビブラートの幅と速度という要素に分割することで現実のビブラートを表現しよう!!という発想に至ります。
これを情報の正規化といい、何かを成すときに必要な要素に分解して、物事にルールを付けて分かりやすくしていくのです。

そして

CeVIO_VIB_Edit

Vocaloidでは酷い、でしたがCeVIOでも残念;に終わっているのがこのビブラートの項目です。
ビブラートの幅、速度に分割されている編集は要素としては理解できますが、残念ながら全然直感的でなくむしろ混乱を招きそうな雰囲気です。

要素としてはほぼ同じなので編集したことがある人は分かると思いますが、ビブラートの幅・VIAについては画像の様に変なヒゲが一杯です。
これは単位Centでビブラートの音程変化量を描けるカーブ・・・なのですが

Cent単位でビブラートがどれだけ揺れてるかとか分かる人なんていないよ!!

と、声を大にして申し上げたいと思います;
とりあえず目安としては100Centが1半音ですので50Cent程度までは無難に使用できるのかもしれませんが、強く大きく揺らしたい場合はガッツリとカーブを書かなければいけないのでマウス操作だとかなり難しいことになります。

CeVIO_VIF_Edit

そしてビブラートの速度です。

Hzで表示されてるorz

4.40Hz、分かります、周波数ですよね。
でもそれがどれくらいの速度かなんて体感的に分かる人はいないんじゃないかなあ;
カーブの記述に関しては先程の幅同様、マウスではかなり難しいことになりそうです・・・

そして、この二項目を上手に使いこなせない場合逆に大きな弱点が産まれます。
それは発声と密接に関係するピッチカーブを手書きで編集しなければいけなくなる点です。

Vocaloidの場合よくも悪くもピッチの編集はMIDIのピッチベンドですのでチマチマやればとりあえずなんとか対処できます。
しかしCeVIOのピッチカーブ編集は連結する音符に対してなだらかなカーブを自動で作ります。
これが優秀なために下手なカーブ編集を持ち込むとかえって結果を悪くする傾向にあります。
お前の編集が下手なんだというツッコミはご勘弁ください(汗
確かにそうなんだけど;

CeVIOとVocaloid、両者を活かす道

多分CeVIOVocaloid以上に正しい作りをしています。
それは音楽的にというよりも、発声メカニズムという一つのモデルとして
インターフェイスやデザインの面でもそういった匂いを感じます。
初心者には非常に分かりやすく、期待した結果を得やすいと思われる作りでありながらをはじめとっつき難さを感じさせるデザインが惜しい気がします。

Vocaloidは技術としては枯れた部類に入る、と思いますがVocaloid2以降大きなブレイクスルーの無いままここまで来てしまった感があります。
3、4と確かに発声エンジンの改善は見られますが本質的な問題(音の繋がりの悪さ)は改善されていません。
テクニックで回避せよ、というのも分かりますがVocaloid自体が音楽ツールではなくガジェットとして認識されてしまった事が大きいのではないかと感じています。
初音ミクという強力な存在が産まれたことは喜ぶべきことではありますが、その陰で雑多に増えすぎてはいないか?という疑問もあります。
初音ミク登場時は確かに歌モノを一人で作れそう!!と期待しましたが、実際はあまりにも貧弱な声で結局Vocaloidを導入したのはメグッポイドが出てからでした。
今でも初音ミクは購入していません。
声優さんの声をサンプリングしたデータベースであったり、アーティストの声であったりとデータベースの多様性でVocaloidは一日の長がありますが、そろそろ次へ行こうよ?という思いは消えません。

両者には両者の在り方、思想があるのだとは思いますが目指す場所はきっとまだ先にあるのではないかと思います。
それこそすんなりとヒューマンライクな歌声をたたき出すモンスター音源が登場するのかもしれません。
それまではきっと両者の背比べが続いて行くのだと思います。

長くなってしまいましたが、タイトルでどちらが優れているのか?なんて書いちゃったから結論は書かないといけないですね。
そんな訳でCeVIOとVocaloidで調整をしたデモ音源を公開しておきます。

 

Vocaloid(IA)

 

CeVIO(ONE)

 

IAのバージョンはVocaloid Editor for Cubase(Vocaloid 3相当)で調整。
ONEは投稿時点で最新のアップデータを反映したものです。
メインボーカルの音源のみ切り替わります。
サビにはハーモニーもありますが消してあります。
そこはCeVIOとVocaloidの併用でいけるかな?と思ったのですが専用に調整しなければまず一緒には使用できません。
コーラスはVocaloid IAです。

Vocaloidに関してはそれなりに調整には習熟し、編集にも結構時間をかけています。
CeVIOに関してはPart 1の投稿前日にインストールして、色々と確認しながら編集を行いました。
熟練度的には低いので性能を活かしきれていないと思います。

結論は・・・聞けば分かるかな?

Vocaloidの中でもIAはかなり優秀な音源です。
ONEは同一ベンダーからの発売とあって両者なかなかですが、立ち上がりの良さとキリキリっとしたスタッカートはONEに軍配でしょうか。
しかし、まだ細かく編集していないのですがIAが歌うコーラスの様なアクセントの弱い部分に関してはちょっとリキみ過ぎな印象になりかねないという懸念はありました。

三回にわたってCeVIOVocaloidの扱いについて検証してみました。
いかがでしたでしょうか?
僅かでも参考になることがあれば幸いです。

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みるくここあ
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ウィンドシンセを片手に曲を作っています、演奏するのも聴くのも好き。 ゲームとITと変な情報を拾ってくるのが得意。 色々とやっているらしいけど詳細はヒミツ。 オリジナル曲を公開しています。 http://www.nicovideo.jp/mylist/31704203 作曲風景の生放送もしています。 https://rainbowsound.cafe/rainbow-sound-cafe-live/ 音楽やDTMに纏わる話題を色々と書きます。

2件のコメントがあります

  1. VOCALOIDもCeVIOも1キャラで全てをまかなう様な造りでは無いと思います。
    1キャラのみ取り上げて総評としてしまうのは両陣営にも良い情報とは思えません。

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