
前回紹介してみたハルオロイド・ミナミ。
雰囲気だけのチェックではもったいないのでちゃんと歌わせてみたくなりました。
ライブラリの特性上、演歌に向くのは当然だと思うのでもう少しポップな歌謡曲に的を絞って森進一さんの「冬のリヴィエラ」に挑戦してみました。
折角やるのならできるだけそれっぽい雰囲気を出したいと思いオケも耳コピーで用意しました。
そんな訳で今回は制作に使ったものや、作業の内容について軽く紹介したいと思います。
CeVIO 5.0の新機能
5.0にアップデートされた新しいインターフェイスではダイナミクス記号の入力が追加になりました。
入力するとVolumeデータが指示に応じて上げ下げされているようです。
Volumeのカーブを書くことでアクセントの表現は可能ですが、このダイナミクス指示だけではアクセントが付く訳ではないので気を付けてください。
今回の編集でもダイナミクス指示を多用しています。
ダイナミクス記号で大まかに音量の上下を決めていき、弱く抜ける音はさらにVolumeカーブで後ろを下げてあげたり、コブシやアクセントのある音は音の頭(タイミングの赤ライン付近)を持ち上げておくと表現がしやすくなります。
これによりやや苦手だった起伏表現がより簡単にできるようになっていると思います。
この歌唱データはCeVIO互助会でダウンロードできるように公開しておきましたので、ご活用いただければ幸いです。
Groove Agent SE4が思いのほか凄かった
パラアウトが可能になっていたのは知っていたものの、まさかキットのエディットまでできるようになっているとは知りませんでした。
パーツ毎にEQ/Comp/Transientの調整の他、Roomマイクへのセンド良なども設定できるのでStudio Drummerと同等の機能が使用可能です。
BATTERY程高機能ではないにしても、逆再生やエンベローブカーブも細かく設定できるのでカットアップ用のプレイバックサンプラーとしても便利に使えそうですね。
Studio Drummerとはカラーの違う音色が出せるので適材適所で使い分けるにはいいと思います。
パラアウトしてしまえば後はEQとWavesのEddie Kramer Drum Chanelを使用して好みの音に調整できるのでお手軽にドラムパートを付ける事ができます。
Eddie Kramerのシグネイチャープラグインはドラム・ギター・ボーカル・エフェクト(パッド等に向いている)と楽器別に最適化されたエフェクタが一式入っているので気に入って使っています。
SpicyGuitarでギター入力も楽々
SpicyGuitarはフリーのギターモデリング音源です。
以前もつかっていたのですが、64bit環境に移行した際に32bit版が動作できなくなってしまい、残念ですが封印をしていました。
最近になって64bit版がリリースされていることに気が付いたので改めて導入しました。
SpicyGuitarの特徴はモデリング音源の為非常に負荷が軽く、またギター特有のオープンボイシングのコードもキースイッチによって簡単に演奏可能とギター音源の欲しい機能をしっかり持ってくれているので、ギターの弾けない自分にはとてもありがたいツールです。
(ギターが弾けないからギター音源ばっかり増えてしまうのです;)
以前の曲でyutakanoさんにギターをお願いした時は参考音源と記譜にSpicyGuitarを活用していました。
(記譜の内容が間違いだらけでご迷惑をおかけしたことは内緒;)
音に関しては撥弦動作のみのモデルのようで、そのままではベタな音しか出ませんがビブラートなどを丁寧に処理すればそれっぽい音は出せます。
フリーで軽くて邪魔にならない音源という意味でもSpicyGuitarは初心者には便利な音源ではないかと思います。
完成した動画はこちら
こんな感じに仕上がりました。
名曲故に色々なバージョンがあってどれを基準にすべきか迷ったのですが弦中心のアレンジを基本にして、一部パートを足したり引いたりしてまとめてみました。
歌唱については森進一さんの歌もバージョンによって大分異なっているので、基本としたバージョンの歌唱に近づけるような調整をしてあります。
主にはタメを作る部分を細かくタイミング調整しています。
CeVIOでの編集自体は2時間かからない程度で完成していますが、追及すればまだまだ表現力は上げられそうな気がします。
CeVIOのカバー曲を公開している方の歌唱データはどれも素晴らしいものが多いのでボーカロイドも含め歌唱データを作成する方は参考にしてみてはいかがでしょうか?
あなたのコメントをお待ちしています