
最近は様々な形で小さいプロジェクトを立ち上げようという方が増えていますね。
ずんずんさんの計画中のクリエイターのシェアハウス計画、とても面白いと思います。
先日のBBQの際にも佐々木さんがルームシェアしながら音楽が出来れば、という話を雑談の中で出していました。
もちろんすぐにやるという訳ではないでしょうし、できたらいいなのお話しであると承知の上で「どうしたらできるのか?」を考えていました。
やる気と継続力のある子なら応援し甲斐もあるもんね。
こういった事業の計画を現実的なレベルまで落とし込むのはそれなりにノウハウがないと難しい部分もあります。
また立ち上げ後思ったようにいかないからと言って放り出せるものでもありません。
そんな訳で今回は実現が可能なレベルで音楽で生きるクリエイターを支援する方法を検討してみます。
この事業の目的
音楽で生きる人同士でルームシェアし、音楽で生計を立てられるように活動に打ち込んで貰えるように支援を行う事が目的である。
単発の事業ではなく同一のモデルで居住者を安定支援可能な状態を目指し、居住者・事業者がともに受益できる事業継続性を持った事業としての確立を目指す。
事業の要件
- ルームシェアは2名とする。
- ルームシェア分の家賃については居住者それぞれから同一額を徴収とし、不足分については事業者の負担とする。
- 居住者と事業者の協力をもって居住中の音楽活動やコンテンツ配信・販売益を不足分の充当へ使用する。
- 余剰金が出た場合はリスクヘッジのためにプールし、欠損金の補填に使用する。
- 事業目的達成ないし、事業を終了する際にプールされた余剰金は居住者と事業者で按分する。
- 事業単位は二年間とし、二年で黒字転換できなかったプロジェクトは解散とする。
- 二年以内に黒字転換できたプロジェクトについては、居住者と事業者の協議をもって継続ないし解散の判断を行う。
物件の条件
共用スペース
1室は共同で使用できるスペースがあることが望ましい
来客の応対や食事、相談などが可能な部屋とする。
自室
それぞれに個室が必要になる。
音楽制作という作業の性質上一人で集中できる空間の提供は必須。
機材と寝具などの都合6畳以上であることが望ましい。
交通アクセス
都心まで60分以内のアクセスが望ましい。
交通コスト面でも長距離過ぎると負担が大きくなると考えられる。
これらの条件に合致する仮の物件を探してモデルを計画してみました。
支出の部
大まかな支出に関しては家賃が中心となります。
モデル物件の家賃を75,600円(税抜70,000円)とし、光熱費を35,000円、通信費を8,000円として計算しました。
敷金礼金等のイニシャルコストを236,800円(3か月)と考えます。
単月をみると約130,000円が住居維持の最低ラインと考えられます。
収入の部
入居者負担を下げる方向で考えます。
2名それぞれ20,000円を基本とし、二人で40,000円を家賃とします。
このままでは当然全く足りないのでなんらかの補填をする必要があります。
コンテンツを売る
単純にマイナスを全部埋めてしまう事は簡単ですが、音楽で生きるルームシェア計画なので当然音楽を売って生計を立てる方向で考えていきます。
単純に誰かに支出をしてもらうのではなくコンテンツなりアクションを売る経験値を積み、事業終了後の生活に活かしていくという目的もあります。
音楽を基準に考えるのであれば有料コンテンツ配信が最有力となります。
毎日実施すると本来の目的がおろそかになるため、週に1回程度のライブ配信や自家通販またはタイアップによる何らかの収入源を確保していきます。
(この方法は色々とあるのですが、伏せておきます)
初月からの垂直立ち上げは不可能だと思いますが、いくつか工夫をすればそこそこ動かせる可能性は高いのでこの収入を月35,000円以上得られるようにしていければ理想です。

この部分のボリュームを拡大させることで最終的な収支バランスをマイナスより上に持ち上げてサスティナブルな事業化していきます。
余剰資金が出た場合
これらの計画が軌道に乗って余剰資金が発生した場合は、支払いに充てて残った額はリスクヘッジの為そのままプールします。
最終的に入居者が目的を達成して新しい環境へ発つことが決まった時点で入居者と事業者で3等分することが出来れば理想形となるのではないかと考えます。
初期の準備資金
2年間ランニングできる事を確約するために300万円ほどのスタートアップ資金を用意しておく必要があります。
2年間でランニングコストを回収できない状態であればそれは事業としての失敗を意味します。
補足
物件の契約は事業者を契約者とし、形態としては事業者の雇用する従業員向けの寮であるという名目で借り受けるのが無難であると考えます。
(物件責任を事業者負担とする、この形態の場合家賃には消費税がかかる)
食費に関しては各々で負担ないし協力してもらう形でよいかと考えます。
それだけでも拘束時間は大幅に短縮可能になるでしょう。
生活全般までの事業として考えると支出コストが大きくなるため目標とする収益を高く設定する必要があったり、最終的な清算で相互受益が成立しにくくなると考えます。
事業モデルとして相互受益の可能性が下がる事は参加者の減少を意味しますのでこの部分についてはより慎重な検討の必要があります。
この程度の規模からスタートして、よい感触が掴めるのであれば規模を大きくするのも良いのかもしれません。
いかがでしょうか?
スタートアップとしては小規模で採算ラインに乗せられそうな金額を想定してみました。
ミニマムな金額なので個人でも行けるレベルではないでしょうか。
この検討を基準にして規模の拡縮を行って事業の検討をされるのも良いと思いますし、このモデルを基準に支援を求めるのも方法の一つだと思います。
これは一つのモデルケースであり、Ver.1であり、叩き台でもあります。
これを運営・運用に当たっては居住者との信頼関係も必要でしょうし、物件の維持管理などの制約もあるため簡単な契約は必要となると思います。
投資効率的に考えた場合参加者に結果を依存する形になるため投資と考えて参加する人は酔狂な人でなければ参加しないかもしれませんが、プロデュースも含め自信がある方なら非常に効率のよい案件になる可能性もあります。
ただ単にお金を出すのは容易い事ですが、本当の意味で誰かを支援するということはまた違った場所を見つめる必要があるんじゃないかな。
いまはそんな風に考えています。
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