仕立て屋は見えない生地で服を織る -やっぱり怖いVALUの話-

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Photo by MichaelWuensch from pixabay

ちょうど一月ほど前、VALUのサービスについて記事を書きました。
事件はやっぱり起きるんですね。

 

人気Youtuberのヒカル氏のVALU取引において、株式市場であればインサイダー取引と認定されかねない動きがありました。

この取引によって投資クラスタでは有名なヤーマン氏や羊飼い氏も高値掴みにハマったようで、百戦錬磨の投資家が引っかかるような動きに一般人が付いていける訳もなく批判が噴出する事態になっています。

ヤーマン氏は株式の書籍を発行するほどの人物です。

個人を応援できる新しい取り組みであると持て囃されているVALUですが、何が起きているのでしょうか?

時系列から

ヤーマン氏の株日記は投資クラスタの方ならチェックするサイトの一つではないかと思います。

こちらに出来事が時系列にまとめられています。(削除されたようです。)
要約すると以下のような流れになっています。

  1. Youtuberヒカル氏VALU公開
  2. フォロワー数などで価格が決定するシステムなのでそれなりの金額で初値が決まる
    (初期の時点で関係者が纏まった数量を購入している?)
  3. 人気があるので購入者が集まる
  4. 連日のストップ高
  5. 頭打ち気配が出るころに優待を期待させる発言をする(?)
    (削除済みとされ内容未確認、スクリーンショットが提示されているが本物か確認ができません)
  6. 翌日早朝高値寄り、関係者が売り抜け
  7. 関係者売り抜け後、前日終値で全数売り出し
  8. 優待は出さないとコメントを発表

実に面白い流れではあります。

現在ヒカル氏のVALUページには規約違反に該当している恐れという警告表示が出ています。
(注意銘柄ですねw)

これは規約違反なのか?

元々VALUの規約など無いに等しい物でした。

前回の記事でも指摘しましたが株式市場のように倫理やルールで縛られた市場ではなく個人に対する支援、株のようなものという非常にあいまいな存在でしかありません。

この程度の事は予想の範囲内の出来事であり、事が起きてから慌てて規約を改定しているところからもシステムの不備や穴など気にしていなかった事が伺えます。

つまりこの行為自体はシステムが許容する範囲内の出来事であって規約違反であると明確に断じる事ができないのです。
(故に規約違反に該当する恐れとしか表示ができない。)

そして参加者もまた自ら価格を提示して合意の上で取引を行っているため本人が全数売りに出そうが高値より安い価格で売りにだそうが文句を言える筋合いはありません。

サービス提供側が事実関係の調査を行うのかあるいは取引履歴から不正な協働行為とみなすかはこれからの判断ですので分かりませんが、どのみち「やったもん勝ち」なのでどうにもできないのです。

なぜ「やったもん勝ち」なのか?

今回のようなケースで大量の資金を受け取った人に協働行為(インサイダー)があったとします。

明かな規約の違反として当該アカウントを退会処理とした場合、取引ルールの通り退会者のVAは一定期間をおいてから全て消滅します。

つまりこういった行為で大きく資金を集めた場合、金融問題でたびたび発生する「大きすぎて潰せない」問題と同じ構造が出来上がります。
少なくとも流通してしまった大量のVAを全員が換金できなければVALUというプールから大量の資金が蒸発してしまうからです。

そうなればただでさえ怪しいシステムであるVALUの信頼はさらに低下することになり、機能を果たすことができなくなります。

この問題がどんなに大きな問題であったとしても、どうすることもできないのです。

説明責任はあるのか?

VALUは株式ではありませんし、規約にも購入したからと言って本人に対してなんらかの要求ができる物ではないと明記されています。

単純に言ってなんの責任もありません。
個人への支援なのでこれは当然です、リターンを望むような性質のものではありませんし基本的には”最後は全て0になる“ものです。

炎上商法であれ、有利誤認を狙った売り工作であれ規約上説明の義務はありません。

VALUは元々そういうものだと認識したうえで利用すべきシステムです。

今後どうなるのか?

運営との間で何らかの話し合いが持たれることは考えられますが、その結果どのような展開になるのかは全く予想ができません。

最悪のケースとしては先に書いた規約違反での強制退会処理ですが、倫理面がガバガバな運営なのでこの選択肢は可能性が低いと考えます。

次点で全取引のロールバックという方法も考えられますが、本人の売買以外も発生している煩雑な状況でどこからどこまでを巻き戻すことが可能なのか分かりませんしこの方法も可能性は低いと見ています。

本人からの買戻しが発生可能性もありますし、このまま何事もなかったように続いていく可能性もあります。

どちらにしてもこの方法をとったヒカル氏は運営に対してもイニシアティブを握っている状態にあるので何が起こるか予断は許さない状況と言えます。

そして今回の件で監督省庁は費者保護を名目とした事実確認や再発防止の指導などの動きを取ることが予想されます。
金額も大きいのでいよいよ税制での取り扱いが明確に設定されるのではないでしょうか。

可能性が無いわけではないですが果たして・・・?

2017.08.16 – 追記

被害者の会と銘打って動き出した方が現れています。
やまもといちろう氏とも連絡を取り本気で動く様子。

しかし警察に行っても門前払いの気がしないでもありません。

本当に動き出したら意外と大きいのも釣れちゃうのかもしれませんね?

2017.08.17 – 追記

やはり運営と協議の上、全額買い戻しとするようです。
しかし既に損切をしてしまった人や混乱に乗じて買い上げていた人などに生じる不均衡などの問題は解決しない点と、類似の騒動に有効な対策がまだできそうにない点など伐根的な対策には至らないようです。

2017.08.21 – 追記

本日の推移をチェックしておりましたが、週末に予告していた買い戻しの動向はありませんでした。
このまま持ち逃げするのか、運営と協議して本格的な被害者救済を行うのかは分かりませんが、状況は刻々と悪くなっている感があります。

個人への投資とは何か

個人の価値をSNSなどの影響力から算出するという錬金術。
実体の無い物に価値を付けるということは常に多大なリスクを内包しているものです。

SNSに表現される個人の言動や活動がその人の全てを表しているものではなく、また見えない部分にもっと大きな魅力がある人も沢山います。

SNSや動画で活躍する人物はその評価を加速度的に上昇させることによって容易に多額の資金を調達できる可能性もありますが、そういった側面を見るに参加者の言う「夢が応援されるVALU」という美談が薄っぺらなものに聞こえます。

お金がなければ頑張れないのか?
頑張る人にお金が集まるのか?

そしてその仕組みがどうあるべきなのか。

今回の一件で今一度見つめなおすべき事はたくさんあるのではないかと考えます。

アーリーアダプターが新時代と持て囃すこの仕組みは電子化されオープンであるという点を除けば既に前例のあるシステムです。
故に過去の教訓に基づいて問題を回避すべきですが、その知恵は活かされなかったようです。

その間にもイノベーターは先を行き、より高度な手法や自己の表現を実践していきます。

数千万単位と推計される資金がどのように活用されるのか。
今後の動向から目が離せませんね。

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みるくここあ
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ウィンドシンセを片手に曲を作っています、演奏するのも聴くのも好き。 ゲームとITと変な情報を拾ってくるのが得意。 色々とやっているらしいけど詳細はヒミツ。 オリジナル曲を公開しています。 http://www.nicovideo.jp/mylist/31704203 作曲風景の生放送もしています。 https://rainbowsound.cafe/rainbow-sound-cafe-live/ 音楽やDTMに纏わる話題を色々と書きます。

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