
警告をした通りの事件が起きました。
これに関しての問題点は過去の記事で指摘したものなので改めて書くことはしません。
自作音源と標榜して配布していたことから相当な範囲に影響を及ぼしかねない問題です。
場合によってはUGCサービス全体の根幹を揺るがすかもしれません。
2018.09.23 – 修正
Tuber Townの情報に基づき、再生回数を修正しました。
2018.09.24 – 修正
一部混乱を招く表現を削除しました。
高額な使用料を請求される可能性
問題のチャンネル、anriのカラオケ制作室は累計1,600万8,500万再生を誇る大手でした。
自作と称して公開した音源がカラオケ音源の録音であったということで、この1,600万8,500万再生はすべてカラオケメーカーが権利をもつ音源であったという事になります。
カラオケメーカーはカラオケ店にサービスを提供し配信料を受け取って運営している訳ですから、録音した音源を使用して1,600万回約8,500万回再生した分の配信料の損害賠償を提起してもおかしくありません。
書類送検は著作権法違反の刑事事件ですが損害賠償はカラオケメーカーと被告との訴訟になりますので著作権法違反の認定とは関係なく求められることになります。
問題は大きく波及
今回の問題で非常にマズい部分はこの人物がコピー音源を自作と詐称していた事です。
その上で原曲リンクを置けば使用してよいという許可を出していたことで音源を使用して歌ってみたや演奏してみたの動画に使用されたケースが多く見られます。
1,700本も音源をアップしていて、1,600万回約8,500万回も再生されている訳ですからこれを信じてどれくらいの人がここから音源を使用したか把握することは非常に難しいのではないでしょうか。
当然ですがこの音源を使用して作成した歌ってみた、演奏してみたの音源はYoutube等から削除しなければなりません。
仮にカラオケメーカーに許諾を取りに行ったとしても元々違法配信であった音源、それもどれほど拡散しているか分からない音源に許諾を出すことは考えにくく一律禁止となると考えられます。
とりあえず公開停止とする措置を取っている方が多いですがYoutubeのContents IDで検出されてしまうとアカウント凍結やマネタイズ資格はく奪などの厳しいペナルティを課せられる可能性が否定できません。
諦めて削除するか希望にかけてカラオケメーカーに直談判するしかないと考えられます。
知らなかったは許されない
書類送検された人物は「違法とは認識していなかった」という主張をしていると報じられていますが、知らなかったは通用しません。
これは勿論この音源を使ってしまった人もメーカーから使用料の請求をされるリスクを負わされることになります。
こういった事件が起きれば先人の努力やユーザーに許された自由を奪われることになりかねません。
権利や管理団体の活動を軽視し続けて正しい知識が広まらない結果は誰にとっても望まないものになります。
使用してしまった方はどうすべきかしっかり検討して対処すべきだと思います。
使う人だけでなく、作る人にまで大きく影響を与えかねない事件ですので続報にも注目していきたいと思います。
著作権は文化を滅ぼす