
お手頃価格で木管楽器のテイストを楽しめるvenova。
本体にはリードとマウスピース、リガチャーが付属してこれ一本で楽しめる楽器です。
最初は純正マウスピースとリードのマッチングが上手くいかず、リードやマウスピースを変えて色々ためしてみよう!!と、SelmerのS80を買ったりリードを追加したりしました。
そう、venovaは安いし部品もコストの安いパーツだと油断がありました。
気が付いたらリガチャーが真っ黒です。
マジかよ、これ銀メッキか;
銀メッキの弱点
木管プレイヤーはあまり意識しない部分ですが、金管系のプレイヤーはシルバーメッキの楽器やマウスピースを利用することがあるため、Cガードという素材を使ったマウスピースケースや楽器ケースにCガードのクロスを入れている事があります。
これは化学的に変質しやすい銀メッキを変質させる硫黄成分から守るために入れるもので、これがあるとメッキよりも先にCガードが硫黄の成分を吸着してくれるのでメッキの変質を防ぐ事ができます。
木管楽器の場合フルートも同様にCガードをケースに挟んでいることがありますが、クラリネット・サックスはシルバーメッキ製品が少ないため使用する機会があまりありません。
クラリネットは木製の管体ですし、サックスの場合はラッカー仕上げ管か金メッキ管が主流でシルバーメッキのサックスを使用しているプレイヤーは非常に少ないです。
なぜならクラ・サックスのマウスピースの素材として主流のエボナイトは硫黄分を含み、ケースの中に硫黄成分をを出してしまうからです。
この成分に暴露してしまうと銀メッキは黒っぽいカラーに変色してしまい、最後はブラックニッケルのようなカラーになってしまいます。
SelmerのS80Cは一般的なエボナイト製のマウスピースです。
venovaは安い製品なのでリガチャーに金や銀のメッキなんか使ってないだろうと勝手に思い込んでいたので、S80Cに純正リガチャーを取り付けた状態でケースに入れてしまっていたのでした。
折角買ったヤナギサワのメタルマウスピースを持ち歩き出来ていなかった理由の一つがこのマウスピースの保管でした。
光沢を取り戻す
実はCガードも2年程度で効果が切れてしまうので、銀メッキの楽器プレイヤーも楽器が変色してしまう事があります。
そんな時メンテナンスにはシルバークロスやポリッシュなどの研磨剤入りのアイテムで丁寧に磨きます。
しかし研磨剤入りの用品は磨きすぎるとメッキ自体を痛めてしまうので使うとしても最後の手段にしたい所です。
今回は変色を落とす事が中心ですし研磨剤の入っていない製品を使用したいので金管楽器プレイヤーにはお馴染みのbussのシルバークリーナーで変色を綺麗に落としていきたいと思います。
buzzのシルバークリーナーは研磨剤を含まない製品ですので安心して使う事ができます。
お手入れの準備
buzzのシルバークリーナーは成分を綿に含ませた製品ですので磨くために必要なものはこれだけですが、基本的にメッキ系製品のふき取りや磨きをする際は落とした汚れが手に付きますので気になる人はニトリルグローブなどのゴム手袋などを付けた状態で使うのが良いと思います。
最後に手垢や汚れを拭き上げる用にアルコールと柔らかい布かマイクロファイバークロスなどがあるとなお良いです。
あとは作業を中断しなくて済むように十分なスペースと時間を用意したらいよいよ作業開始です。
まずはシルバークリーナーの中に入っている磨き用の綿を小さくちぎります。
これを指でつまんで変色してしまったリガチャーを丁寧に磨きます。
まず作業しやすいところから、締め上げのネジ部分から磨いて試してみましょう。
こんな感じで真っ黒だったネジですが
三分ほど磨いてみるとこんな感じで綺麗に!!(写真右側のネジ)
トランペットなど他の管楽器でもそうですが、部品を取り外したりしながら作業しやすくして「落とさないように」気を付けて磨いてください。
磨いているとこんな感じに綿が黒ずんできますので、黒っぽくなってきて乾燥してきたと思ったら新しく綿をちぎって使うようにしてください。
磨いた結果はこちら
とりあえず、パッと見シルバーのリガチャーです!!と言える程度には綺麗になりました。
写真で見るとよくわかりますが、ところどころ変色が落ちていない部分がありますがこれは時間が経過しすぎて簡単に落とせない部分と形状によって磨きにくい部分が残ってしまっています。
こういった部分を一気に落とすには研磨剤入りのシルバーポリッシュなどで磨いたりもう少し別の方法がありますがそれはまたの機会にして、次は管体のメンテナンスなどを紹介したいと思います。
コンバート奏者や初めてvenovaを買って遊んでみた人の中には同じ失敗をしてしまった方もいるかもしれません。
変色を気にしなくてもいい金メッキやブラスのラッカー仕上げのリガチャーに変える動機としてはまあいいかもしれませんw(買った)
自粛で計らずも諸々捗ってしまった事もあるのでvenovaについての記事は何回か継続していきたいと思います。
あなたのコメントをお待ちしています