ブロックチェーンはアーティストを救うのか?

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Photo by Markus Spiske from Unsplash

昨今巷を賑わせている仮想通貨。
新技術には良い面、悪い面、置き換えていく価値や物の間でのせめぎ合いが続く物です。

 

金融系の案件はアフィリエイトが儲かるんでしょう?って言われてもツルハシは売らない主義です、こんにちわ。

昨年話題を呼んだ新しい経済だと持て囃されたVALUについても紹介を行い予想の通り問題が勃発し、課税についても大体想定の通りという結果に落ち着きました。

ビットコインが新しい経済を作る、経済を個人の手に取り戻すという極論はお話しにならないと思ってはいますが、その技術がもたらす変革や可能性については有用なものでありその可能性は大きいと考えています。
オープンな技術だけに爆発的に新規案件が立ち上がる黎明期にありますが、資源は有限ですので近いうちに集約されていくものと考えます。

このサイトでは音楽の話題しかしないよ、と公言していますのでこんな話をしてるってことはこれでも音楽に関係してる訳です。

音楽におけるブロックチェーンとは

JASRAC関連のトピックでも時折紹介させていただいている弁理士の栗原先生がUjo Musicの事例について紹介されています。

音楽の販売に対するスキームはspotifyなどの大手プロバイダが提供するサービスなどが存在します。
これらのサービスもローンチ時には革新的と絶賛されたサービスですが、革新的なサービスですら解決が出来ない問題が存在しました。
それが著作権問題です。

こういった問題に正面から取り組んでいこうとしているのがDot Blockchain Mediaです。

Etheureumのスマートコントラクトを用いた新たな著作権管理を提唱し、実行に向けてプロジェクトを進行させています。
これがうまく行けば煩雑だった権利処理をクリアに行う事が簡単になりますし、間口が広がる事で利用の促進に繋がる事も期待されます。

プロジェクトはまだ道半ばのようですが、こういった新たな提案はどんどんなされるべきですし、良い形で結実してほしいとも思います。

実現可能性について

ブロックチェーンの技術は確かに素晴らしいものですし、上手く行けば管理しきれないと思われていた音楽の使用の厳格な管理に一歩近づくことができるかもしれません。
しかし、ブロックチェーンを用いても容易に実行できるデジタルコピーを防ぐ手立てがない以上、不正利用に対する水際作戦はJASRAC等の管理団体による自衛策として続くと考えます。

昔の音楽販売形態はメディアを介して行うものが一般的であり、劣化させずにコピーするのも容易ではありませんでした。
現在では機器のデジタル化が進み、大容量データの処理すら容易に行えるようになったことで音楽はストリーミングやデータ販売で行う方がハンドリングが良い状態にあります。
このデジタルデータは入手した瞬間からプロバイダの管理下から断絶され、悪意あるユーザーによって無限に複製が可能になってしまいます。

またデータの購入履歴が台帳管理可能になったとしても、購入したデータをトラッキングする行為が各国法令的に適法なのかという点にも疑問が残ることからストリーミングないしダウンロード買い切りを中心とせざるを得ない可能性が高く、結果的には支払いスキームが一つ増えるだけで劇的な変化は起こらないという可能性も存在します。

さらに他者の成果物を自らの成果物として登録してしまうような悪質な者への対処や、権利の移動などの煩雑な処理、各国法令の枠の中で適切に処理が可能なのか等の新たな問題も内包しています。

新しい試みが問題を全て解決してくれるのかと問われれば現時点では難しい課題に取り組んでいる回答せざるを得ないと考えます。

新たなサービスプロバイダの出現

こういった変革の中にあって新たなサービスプロバイダも続々と登場しつつあります。

VOISEはインディーズミュジシャンなどに向けたローコストな配信を可能にするプロバイダとしてサービスを提案しています。

現在はAlpha 0.2ということで実現可能性は未知数です。
しかし非常に現実的なプランニングであり、中間搾取を取り除きアーティストの利益と利用者の利益を最大化しようという提案は魅力的なものに見えます。
ブロックチェーンというとすぐに仮想通貨で決済!!と先走る人も多いですが、利用者利便性を考慮して通貨での普通の決済窓口を設けている点も当然ではありますが正しい在り方だと思います。
現時点での仮想通貨利用者は極めて少なく、決済系も中間業者(多くは取引所)に依存する形で決済機能と呼べるほどの物はありません。

こういった新しいサービスはいかに利用者を集め普及させるかが勝負になりますが、ブロックチェーン技術を使用した配信という言葉だけでは響きません。
その場合重要になってくるのはコンテンツ力であり、いかに有力なアーティストを誘引するかが勝負になってきます。
参加者とのネゴシエーションやプロバイダのセルフプロモーションなどから脱却できない現状においては残念ながらまだ新世代と呼ぶには至らないと思います。

新興のサービスであっても先に挙げた著作権の問題についてはWhitePaperにも具体的な解決策は提案されておらず、真にアーティストを守るブロックチェーンというにはまだまだ長い時間を要するのかなあという感想を持ちました。

アーティストのための技術とは

アーティストと一言に行っても様々なレベルと需要が存在します。

プロモーターや出版社がバックアップしてくれるメジャーアーティストもあれば、自らの音楽を知ってもらうために日々努力をしているインディーズアーティストもいます。
比率で言えば圧倒的に後者が多いのでしょう。

かつてサウンドクラウドが、Spotifyが期待されたように新たなサービスが自分のためになると期待すること自体は良い事だと思います。
しかし新しいサービスが手を差し伸べてくれるかと言えばそうではなく、そのサービス自体も厳しい生存競争の中にあることは自覚しておくべき事項だと考えます。

自らの身を立てる方法を実践しつつ収益を重ねていけるモデルの為に新たな技術が模索されている現状ですが、実際に求められるアーティストのための仕組みというものはもっと簡単な物なのではないか?という気もしています。

まだ産まれて15年未満の未熟な技術が様々な実を結びつつありますがそれが人にとって優しいものであるのかはまだ分かっていません。
全ての可能性を排除せずにより理想に近いモデルを作る事ができればより良いものになって行くのかもしれません。
少なくとも粗製濫造されるコインや約束を果たす気配のないICOなどが乱立する状態は投資という言葉で語るようなものではなく、整理されて真に有価なものだけが残る状態になるまでは全体を俯瞰してみていく事が重要であると思います。

自分が取り組んでもいいかな、と思うような将来性を感じるサービスや提案が持ち上がってくることに期待をしつつ、ブロックチェーンよりも先になんでもタダで手に入れようという気質を払拭していくことが重要かなと愚考してみる次第です。

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みるくここあ
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ウィンドシンセを片手に曲を作っています、演奏するのも聴くのも好き。 ゲームとITと変な情報を拾ってくるのが得意。 色々とやっているらしいけど詳細はヒミツ。 オリジナル曲を公開しています。 http://www.nicovideo.jp/mylist/31704203 作曲風景の生放送もしています。 https://rainbowsound.cafe/rainbow-sound-cafe-live/ 音楽やDTMに纏わる話題を色々と書きます。

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