Tomorrow is mineの制作メモ

Advertisement

前回Tomorrow is mineの動画を公開しました。
今回はDTMっぽくオケの制作のお話をしていきたいと思います。

 

venovaに限らずある程度演奏を行っている人であれば、曲に合わせて練習は必ずすると思います。
やっぱり合奏する方が楽しいですからね。
しかし一人で始めるとなるとなかなか重い腰が上がらない・・・なんて方もいるのではないでしょうか。

今回は実際にどんな手順でTomorrow is mineをコピーしたかを纏めてみたいと思います。

まずは音域の確認

コピーしたい曲が演奏可能なのかを確認するためにまずはざっと曲を確認します。
原曲の音源をCDや配信で入手して(公式から販売される音源を基準にしましょう)流しながら多少ミスしても構わないので音程を拾います。

この時点で演奏したいパートが演奏可能な音域を超えている場合は改変するか、テクニックで超えるか、諦めるかの選択をすることになります。
今回のTomorrow is mineは最高音はHigh Bでありvenovaの音域でカバーできましたので原曲の調のまま演奏しました。
前回アップロードしたさよならバイスタンダーはサビからの音程が高くフラジオでの演奏でもフォローが出来なかったので1オクターブ下で演奏しています。

この辺りは経験値によって選択が異なると思いますので、まずは簡単な譜面からスタートしてみるのが良いと思います。

なんとなくでも音程や音域が把握できない方はまずは楽譜を購入して基礎練習をして自分の楽器から何の音が出ているのかを身につけてください。
自分の楽器の音に慣れないと他の楽器の音を聞く余裕はできません。

調とリズムを把握する

Tomorrow is mineの譜面は♭が5つつきます。
C管のvenovaで♭が5ということは調性はD$ major(変ニ長調)からのスタートになります。(途中転調もあります)
スケール練習で各調毎に練習しておかないとこういった調では指が回りきらない事もありますので基礎練習は大事です。

調が分かったらドラムやベースの音を中心に聴いて譜割りを把握します。
譜割りとは拍子とその変化の事です。
ジャズやプログレなどはこれを確認しないと曲についていけません。
どこで変化しているのか?、カウントがいくつか?をしっかり押さえておきます。

この二つを把握したら各パートの音を拾い始めます。

パートは得意な所から音を拾っていけばいい

取りあえずここまでの把握ができていればテンポ、調までは分かるはずです。
調が分かれば基本となる音は分かります。

曲によって構成は異なりますが、多くの場合リズム楽器(打楽器)とベース楽器は存在すると思いますので自分はベースとドラムのリズムを最初に拾っていくようにしています。
これは元々低音楽器担当だったことでベースよりの音の方が把握しやすいためです。
高い音の方が拾いやすい方はどんどん得意なパートから音を拾って埋めていくのが良いと思います。
ちなみに相変わらずギターの音は上手く捕まえられません(汗

この段階では個人的にはプリセット音のまま、アクセント部分以外はあまり気にしないでベタ打ちで埋めていくようにしています。
プリセット音はあまりイメージと異なるものにしないようにした方が混乱はしにくいと思います。

後は原曲を聞きながら地道に音符を並べる作業です。

原曲以外に頼りになるものがあればそれも利用する

演奏動画を公開している方がいる場合は動画を参考にするのも一つの手段です。

Tomorrow is mineではMIDIによるピアノカバーで素晴らしいデータを制作されている方やベース演奏をしている方がいましたのでその音源も参考にしています。
(都合若干アレンジが含まれる場合があります)
聴き取りにくいパートの演奏動画がある場合は手元を見てそのまま演奏を復元することもできます。

こういう時も原曲丸上げのような動画は触らないようにしておきましょう。

各パートについて

Drum (Naitive Instruments – StudioDrummer)

NIの定番ドラム音源を使用しています。
当初Cubase付属のGroove Agent SEで作ろうかなと考えていましたがGAは全体的にハイハットが微妙なのでやめていつも通りに。

各パートはパラアウトで分離してパーツ事にエフェクトとアイソレートをしています。
キックとスネアはベースの帯域と被るのでその部分を中心に、抜けてくる音の部分は出し過ぎない程度に調整をしてドラムのグループで最終的な音量バランスを取っています。
EQはwavesのSSL 4000のプリセットを入れて微調整する程度にしてCubaseのチャンネルEQでアイソレートする方法を取っています。

Bass (AcousticSamples – Akouskontra)

Tomorrow is mineはベースラインがウッドベースです。
大分昔に買ったAcousticSamplesのAkouskontra V2を使用しています。

この製品は現在販売中止になっています、AcousticSampleが製品のプラットフォームをUVIに移したためです。
古い製品でサンプルの容量も現在の主流製品に比べれば非常に少ないですが、その分軽く取り回しがよいです。
表現に関しては上品なところまで、と言った感じで原曲のようにもっと弦をビンビン言わせるような激しい演奏には向いていません。
さくっとモチーフを作るのには良い音源です。

ベースはアタック感と太さを出すためにNomad FactoryのPultec EQエミュレーション、Pulse Tec EQsでブーストしてからマルチバンドコンプで均し、最後にもう一度EQでアイソレートしています。
Nomad FactoryのPultec EQはわざとらしいくらいもこもこするので、頼りないパートに入れると意外と便利だったりします。

Piano (Naitive Instruments – Alicia’s Keys)

ピアノもNIのAlicia’s Keysをずっと使っています。
ivoryとかPiano Teqとか良い音源は簡単に手に入るのですが、ピアノ演奏が出来ないとフル活用できないので簡単なAlicia’s Keyが便利です。

ピアノは3パート使用して定位ごとに使い分けをしています。
イントロなどの中心に近い場所で鳴っているパートはセンター、音が左右に広がっている部分は左右の手を低音高音に割り振って若干定位を開いて配置しています。
原曲のピアノの定位が結構開き気味だったので真似をする努力をしてみました。

ピアノはSSLのチャンネルストリップで軽くブーストしてうっすらとマルチバンドコンプを掛けています。
ピアノの処理は難しすぎて全く上手くできていません;

Strings (kirk hunter studios – diamond symphony orchesra)

オケ関連の音源一式のバンドル、Kontakt用です。
かなり古い音源です。

古いと言われるだけあってHollywood系のようなメリハリのある弦の音ではないですが、落ち着いていて馴染みやすい音なので後ろで鳴らすには向いている気がします。
奏法や編成のパターンは豊富です。
今回の弦パートはちょっとした駆け上がりとロングトーンだけなので軽くローカットしてリバーブに送るだけにしてあります。

実はこの音源のティンパニが結構好きだったりします。

E.Piano (waves – Electric 88)

wavesが一昨年発売したエレピ音源です。
何もしなくてもいい音がします。

エレピが左側で鳴っているので使ってみました。
プリセットで鳴らしてもしっかり存在感があるのでほんの少しだけ弄ってリバーブに送るだけにしています。
パート自体派手な事をしている訳ではないのでこれだけでも十分でした。

とにかく音がいいのでコスパが非常に良い音源だと思います。

Organ (Naitive Instruments – Born on B3)

KontaktのFactory presetのハモンドオルガンです。
オルガンの音源は全然買えないので(経験不足とオルガン曲をあまり聞いていないため)基本に忠実にB3っぽい音を選択しました。

オルガンパートというとやはりグリスダウンだと思うのですが、全然上手く行かないので要研究です。
抜け際が長くなるようにすべきなんだろうなあ・・・

GlockenSpinel (Xpand!2 – GlockenSpinel 1)

グロッケンは滅茶苦茶硬い音のでるXPand!2のグロッケンを鳴らしてみました。
ハードマレットのカツカツいう音まで入っているのでアタック感があります。

グロッケンは吹奏楽や管弦楽だと目立ってしまう事があるのですが、こういったポップな曲の場合は逆に埋もれないくらいの音の方が良いのでこれを使いました。
Kontaktのプリセットなどは上品すぎて全然目立たないので使い分けですね。

Choir (Halion Sonic SE – Aah to Ooh Choir NoteExp)

クワイアはバックコーラスの穴埋めです。
ボーカルパートの演奏にあたってバック部分を歌わせるとフロントに歌がないのに浮きますし、逆にカットすれば全然物足りないのでクワイアで埋めています。

この手の音はアタックが遅く、鳴らすタイミングが難しいです。
アタックの強い音だと今度は目立ちすぎてしまいますし、シンセっぽさの残っている薄い音にしました。

SoundEffect (Noiiz)

リバース系の音やクラップなどのSE系の音はNoiizから引っ張ってきています。

昔はこういう音どうやるんだろう?と思っていましたが引き出しの多いサンプルライブラリが一つあると便利なんだなあと痛感しています。

サブスクリプションを継続するほど使ってるの?って言われるとそこまでではないかもしれませんが、フレーズサンプルなども勉強になるのでなんだかんだでプロジェクトに必ず入れるようになりました。

少しだけ割引になるInvitationもあるので気になる方はチェックしてみてください。

音の選択と方向性はこんな感じにしています。
マスターではマスター用のEQとSSL Compを掛けてから2段に分けてMelda ProductionsのMMultiband DynamicsとMMultiband Limitterを掛けています。

32bitFloatで書き出してから最後にWaveLab Elemtnsでディザリングを掛けて保存しました。

DTM寄りではなく演奏中心の人がオケコピーをするとどうなるか?という感じになってしまいましたね。
主要なDAWであれば大体同じような事は出来ると思います。

意外とやることは多い・・・というよりも普段演奏中心の人が意識しない裏方の部分まで意識する必要があるので大変だと思います。
普段DTMやってる人がミックスダウンまで自力でやってるのって本当に凄いですね。
最初は全然できないかもしれませんが、簡単な曲からやって経験値を積んでいけば個人練習の役に立つと思います。

基本的に楽器演奏の経験がある人はある程度の下地があるので全くの初心者が耳コピーをするよりは遥かにアドバンテージがあります。
最初はオーディオインターフェイス付属のDAWからでも構わないので挑戦してみてください。
自分の好きな曲を演奏できるようになると楽しいですよ。

Advertisement
みるくここあ
About みるくここあ 290 Articles
ウィンドシンセを片手に曲を作っています、演奏するのも聴くのも好き。 ゲームとITと変な情報を拾ってくるのが得意。 色々とやっているらしいけど詳細はヒミツ。 オリジナル曲を公開しています。 http://www.nicovideo.jp/mylist/31704203 作曲風景の生放送もしています。 https://rainbowsound.cafe/rainbow-sound-cafe-live/ 音楽やDTMに纏わる話題を色々と書きます。

あなたのコメントをお待ちしています

コメントをどうぞ

Your email address will not be published.




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください